住宅の壁材として人気が高まっている「コペンハーゲンリブ」。

今回はその理由と特徴、選び方のポイントをご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

 

 目次

1. 『コペンハーゲンリブ』とは?

2.『 コペンハーゲンリブ』名前の由来と歴史

3. 『コペンハーゲンリブ』特徴と音響機能

4. 『コペンハーゲンリブ』形状とデザイン性

5.  『コペンハーゲンリブ』選び方

6.MM FACTORY(丸紀)の『コペンハーゲンリブ』について


    1. 『コペンハーゲンリブ』とは?

    『コペンハーゲンリブ』は、「お部屋や空間に広がる光の陰影や高級感が印象的」という特徴を持っている、世界で人気の屋内用の壁材です。

     

    『コペンハーゲンリブ』の最大の特徴
    無垢の木の壁材の表面に、細かい”リブ”(溝状の凹凸)加工が施されているので、インテリアとしてのデザイン性が高い【装飾性】に加え、【音響の機能】があると言われており、この2点が大きな特徴になっています。そのため日本でも、住宅や商業施設のリノベーションなどで人気が高まっており、注目されています。

     

    <リブ材とは?
    「リブ材」は、木材の表面に規則的な「溝(リブ)」や「凹凸」を施した建材です。この、特徴的な凹凸のあるデザインの魅力に加え、太陽やライトによって生み出される光と影が、壁面に陰影となって映える演出効果も魅力です。


    『コペンハーゲンリブ』壁材 樹種:桧/サイプレスホワイト

     

     


    2.  コペンハーゲンリブ』名前の由来と歴史

    名称の由来は、北欧のデンマークの首都「コペンハーゲン」にある放送局のスタジオの壁面にこのデザインが採用されたことから、「コペンハーゲン」+「リブ(波型デザイン)」が併せって『コパンハーゲンリブ』と呼ばれるようになったそうです。(諸説あり)

    連続した細い凹凸(リブ)がストライプ状になっている木製の壁材のデザインは、放送局内にあるスタジオの音響効果を高めるために考案されたと言われています。(※多くのコンサートホールでは、音響効果を高めるため、縦長の音響板が使用されています)

    その後、このストライプのシャープなデザインと高級感が人気を博し、ヨーロッパを中心に音響施設やホール、体育館などに広がり、デザイン面での美しさから住宅や商業空間にも取り入れられていったようです。


    デンマークのコペンハーゲンの街並み

     

     

    3.  『コペンハーゲンリブ』特徴と音響機能

    ・音響:たくさんあるストライプ状の凹凸により、壁に反射する音が多方面に拡散・集合するため、平面の壁材と比較すると音の広がりが促進されます。また、無垢材が持つ多孔質(植物細胞の構造)によって音が適度に吸収されることから、反響音を和らげ、心地よい音に変わる効果があると言われています。

    ・装飾性:壁の表面にあるリブが生み出す陰影が、太陽光などの光の差し方で変化し、表情豊かな空間を演出してくれます。

    ・天然木の質感:天然木で作られたリブ材は、見た目も肌触りも自然素材の温かみがあり、かつ経年変化による色や木目の移ろいを楽しむことが出来ます。

    ・多用途性:住宅のリビングや店舗のカウンター、公共施設の大広間など、規模の大小問わず、デザイン性の高い壁材として幅広い施設で活用可能です。

     

     


    4.  『コペンハーゲンリブ』形状とデザイン性

    リブの幅やピッチ(間隔)、深さによってデザインの印象が変わります。細いリブは繊細でモダンな雰囲気を与え、太めのリブは力強さやクラシックな印象を作り出します。直線的なラインが続くため、壁全体に貼ると空間に奥行きやリズム感をもたらします。

    施工事例

     

     


    5.  『コペンハーゲンリブ』選び方

    『コペンハーゲンリブ』は、樹種リブ(凹凸/溝・立ち上がり)幅・形状の選び方によって、最終的な印象や機能性(音響、陰影、手触りなど)がかなり変わってきます。以下に、選定のポイントと注意点を整理しましたので、ぜひ参考にしてください。

     

    ◎樹種(素材)選びで意識すべきポイント

    リブ材に使われる木材の樹種は、見た目・手触り・音響・耐久性などに影響します。樹種を選ぶときのポイントをご紹介します。

    項目

    影響・違い

    考慮すべき点

    木目・色味

    樹種によって、木目の表情、色味、濃淡、節や年輪の出やすさが異なる

    明るめがいいなら白木系(スギ、ヒノキなど)、重厚さ重視なら広葉樹や深い色のものを選ぶ

    音響特性

    柔らかめの針葉樹は吸音性がやや高くなることもある

    響きを整えたい部屋では、樹種とリブ形状の組み合わせを設計段階で検証

    反り・割れ、寸法安定性

    無垢材は乾燥や湿度変化の影響を受けやすい

    乾燥管理や含水率管理、背面補強などを前提に選定する

    加工性

    柔らかい材は掘込みや削りがしやすい

    細かい凹凸や曲面加工を多用したい場合は加工性の良い材を選ぶ(例:ヒノキ、スギ)

    コストと入手性

    高級な広葉樹や特殊材はコストが上がる、入荷が難しいことも

    標準仕様で流通している樹種(ヒノキ、ヘムロックなど)を優先検討する 

     

    リブ幅・形状(凹凸の設計)選びで意識すべきポイント

    リブ(溝・立ち上がり)幅、間隔、深さ・形状(角リブ・丸リブ・曲線リブなど)は、視覚印象・陰影表現・空間の“軽さ/重さ”に大きく作用します。形状を選ぶ時のポイントをご紹介します。

    設定項目

    変化の影響

    推奨例・注意点

    リブの幅(溝部の幅)

    溝幅が広いと陰影が強まり、印象的・力強さが出る。幅を狭くすると陰影は繊細・上品な雰囲気に

    大空間・吹き抜け空間なら幅広リブが似合う。小空間では狭幅リブで圧迫感を抑える。

    リブ間隔(立ち上がり同士の中心間隔)

    間隔が狭いときめ細かさ、密度感が出る。間隔が広いとリズミカルな印象に

    間隔が広すぎると“板張り感”が強く出てしまうので、バランスを考慮

    リブの深さ・凸部高さ

    立ち上がりを高くすると陰影のコントラストが強くなり、立体感が増す。浅めだと柔らかい印象

    あまり深過ぎると汚れが溝に溜まりやすくなるため、清掃性も視野に入れる

    角型 vs 丸型 / 曲線リブ

    角リブ(直線的な溝・凸部)はシャープさ・モダンさを出し、丸型や曲線リブは柔らかさ・有機性を出す

    モダンな空間には角リブ、和室や自然風味には丸型・曲線リブを検討

    強調リブと控えめリブの組み合わせ

    強めリブをアクセント壁だけに使い、他は控えめリブを使うことで調和を取る

    全面強リブだと重く感じる場合があるため、アクセントと組み合わせて使う設計も有効

    リブパターンの方向性(縦リブ or 横リブ)

    縦リブは天井高を強調する効果、横リブは水平方向を強調し空間を広く見せる効果

    壁面に縦向き、大きな腰壁的な位置に横向きという使い分けもあり得る

     

    印象と用途別おすすめ組み合わせ

    上記の樹種・リブ形状を踏まえ、用途や目的別におすすめの組み合わせ例を紹介します。

    用途・空間

    樹種/材質

    リブ仕様(幅・形状など)

    狙いたい印象・注意点

    リビング・居間

    温かみのある針葉樹(ヒノキ、ヘムロックなど)

    中~広幅リブ/角リブまたは丸リブ併用

    木質感を十分感じさせながらも、アクセント壁で陰影を強く出す

    吹き抜け・高天井空間

    幅広リブ + 深め立ち上がり

    幅広リブ/深め凸部

    縦方向に視線を誘導し、重厚感と広がりを演出

    オーディオルームなど

    吸音性を重視する樹種(多少柔らかめ)

    中間幅・やや深リブ/曲線や不揃いリブ併用

    音響拡散性を考慮しつつ、陰影制御も同時に図る

    商業空間・ショールーム

    広葉樹材や表情の強い木材

    やや広めリブ/角リブ強調

    印象的でインパクトある壁面を演出

    アクセント壁

    樹種は空間との調和重視

    幅広・深リブを一面だけで使用

    アクセント壁として視線を引く壁面構成に活用

     

     

    選定時のチェックリスト

    『コペンハーゲンリブ』用のチェックリストを作成しましたので、ぜひお使いください。

    1. 用途とデザインコンセプトとの整合性

       - 主張させたい壁か、落ち着かせたい壁か

       - 空間の広さ・天井高さとのバランス

    2. 樹種の乾燥管理・寸法安定性

       - 含水率管理がしやすい樹種か

       - 反り・割れ対策(背面補強、桟入れなど)

    3. リブ設計の詳細(幅・深さ・形状・間隔)

       - 陰影の強弱バランス

       - 掃除性・ホコリ溜まりへの配慮

    4. サンプル確認

       - 小面積サンプルを壁に貼って、光源をあてたときの陰影感を確認

       - 実物の材を長手方向に見て、凹凸のリズム・高さ感を確認

    5. 施工精度・継ぎ目処理

       - リブ材の目地やつなぎ目を目立たせない納まり設計

       - 継ぎ足し・ジョイント部の繋ぎ方(目透かし、目地処理など)

    6. メンテナンス性

       - 溝部にホコリがたまりにくいデザインか

       - 表面仕上げ(塗装・オイル仕上げなど)との相性

     

     


    6. MM FACTORY(丸紀)の『コペンハーゲンリブ』について

    MM FACTORY【株式会社丸紀】の『コペンハーゲンリブ』は、自社工場にて製造しています。

    樹種は以下の2つをメインに取り扱いしております。

    ・紀州ひのき(和歌山産)
    ・ヘムロック

    こちらの2種類は、WEBからもお見積り可能です。
    他の樹種もご検討可能ですので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

     

    『コペンハーゲンリブ』の詳細はこちら

     

    また当社は、弊社専任の担当が生産/仕入から納品まで一括対応いたしますので、安心してお任せいただけます。
    外壁材、壁材/天井材、造作など、木質マテリアル全般をまとめてのご依頼も可能です。

    お気軽にご相談ください。

     

    お問い合わせはこちら

    TEL 0738-22-2236営業時間:平日10時から17時
    (土日祝・および当社が定める休日を除く)
    担当:篠原


    コペンハーゲンリブは、デンマーク発祥のデザインと音響を兼ね備えた人気の高い壁材です。リブによる光の陰影が空間を彩り、天然木の質感がインテリアに温かみを加えます。音響的な実用性とデザイン性の両方を求める方にとって、非常に魅力的な建材です。

    ぜひご検討ください。

     

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