和歌山県日高郡みなべ町にある「紀州備長炭振興館」のリニューアルプロジェクトにて、展示空間の要となるメイン展示台・展示机・販売台・フローリング材を製作・納品いたしました。

紀州備長炭という伝統産業の魅力を、現代的な空間で伝えるのにふさわしい、自然素材の温もりとデザイン性を両立した空間構成となっていますので、ご紹介いたします。

 目次

1.紀州備長炭振興館とは?

2. 出荷前のメイン展示台

3. 展示室の空間をつくるメイン展示台

4. 展示机・販売台のデザインと機能

5.地元紀州杉の美しい木目が映えるフローリング


    1.紀州備長炭振興館とは?

    和歌山県日高郡みなべ町の「紀州備長炭振興館」は、平安時代から続く伝統の炭「紀州備長炭」の魅力を紹介する資料館です。

    館内では、製炭の歴史や技術、炭を使った暮らしの知恵を映像や展示でわかりやすく学ぶことができます。備長炭を使った体験コーナーや、炭入りアイス「炭愛す」などのオリジナル商品も人気。入館無料で駐車場も完備。炭の文化と自然の恵みを感じる、学びと癒しのスポットです。

    👉 みなべ観光協会HP:https://www.minabe-kanko.jp/sightseeing/1135

     

    2. 出荷前のメイン展示台

    和歌山の伝統の炭「紀州備長炭」の魅力を展示する「備長炭とけむりのゆらぎが調和する展示空間」を表現するメインテーブルとなるのが『円形+有機的曲線の大型テーブル』です。

    ・形状:「けむりのゆらぎ」を表現した、円環状に広がる曲線デザイン
    ・素材:天板は紀州材の集成材をホワイトで塗装仕上げ、脚部は紀州杉の3層クロスパネル材を使用
    ・構造:3段構成の立体什器で、展示高さに変化

     

    製作から納品まで、すべて当社の社員が一括対応いたしました。

    表面は滑らかな木目が見えるように塗装し、自然な木質感を残しながらもモダンな印象を与えてくれています。


    3. 展示室の空間をつくるメイン展示台

    展示室中央に設置された円形+有機的曲線の大型テーブルは、来場者の動線をやさしく導いてくれる雰囲気を作る存在となっています。

    脚部には地元和歌山産紀州杉の3層クロスパネル材を使用しているので高い強度のあるテーブルになっているだけでなく、フローリングの杉材と相まって、木目の美しさが引き立っています。

     

    ベースとなる木部は明るく柔らかなトーンに仕上がっているので、展示物である備長炭が持つ“静謐さ”や“深み”を引き立ててくれています。

    直線と曲線を組み合わせた構成は、炭の流れや煙のゆらぎのイメージとシンクロします。

     

    4. 展示机・販売台のデザインと機能

    天井や柱の構造材を活かした「日本建築・家具の伝統デザイン」である直線的な和の空間に、自然界を表す曲線のデザインが調和する展示空間。

    展示台・販売机はそれぞれの展示内容に合わせて用途別にカスタム設計
    シンプルながらも展示物を引き立てる存在感を持たせています。

    ①展示机木の質感を活かした直線的デザインで、空間に統一感を演出
    ②販売台:高さと奥行きを調整し、視認性と使いやすさを両立
     ※仕上げ:すべて自然系オイル塗装仕上げ

     

    ①展示机

    紀州備長炭振興館の展示スペースに合わせて製作した展示机は、木の質感と空間の調和を重視した、シンプルで機能的なデザインが特徴です。

    天板には淡い白木仕上げを施し、炭の黒や壁の温もりある木目と美しいコントラストを描きます。

    脚部には地元和歌山産紀州杉の3層クロスパネル材を採用し、自然な木目が立ち上がるような構成で、強度とデザイン性を両立。壁際に沿って配置することで、展示物が主役となる空間を演出しながらも、木材特有の柔らかい光の反射が室内全体に温かみを添えています。

    無駄をそぎ落としたミニマルな造形の中に、職人の精緻な加工技術と素材への敬意が込められた一台。伝統的な木造空間に、現代的な洗練を添える展示家具です。

     

    販売台

    紀州備長炭振興館のリニューアルにあわせて設置した販売台は、紀州材を使用し、やわらかな曲線が印象的なナチュラルデザインに仕上げています。

    天板には白色系の木目仕上げを施し、炭の黒や木壁の深い色調とのコントラストを際立たせることで、販売品をより引き立てる効果があります。

    空間全体の床材・壁材との調和を意識しつつ、展示のしやすさ・視認性・導線を考慮した高さと奥行きで構成され、来館者が自然と商品へ目を向けられるよう工夫されています。

     

    5. 地元紀州杉の美しい木目が映えるフローリング

    床材には地元和歌山の紀州材のスギ

    木目の美しさと温かみのある足触りが特徴で、展示空間全体を優しく包み込みます。

    光の反射によって木の表情が変化し、炭の黒とのコントラストがより一層引き立ちます。

     

     

    まとめ ― 地元和歌山の素材と職人技が融合

    今回の紀州備長炭振興館リニューアルに伴うテーブルと床材の納品は、紀州材と職人技を活かしたことにより、伝統産業の展示空間に新たな表情を与えることができました。

    自然素材を使用した直線と曲線のデザインが調和することで、備長炭の黒とけむりのゆらぎを引き立てながら、訪れる人がゆっくりと過ごせる空間を実現されていました。

     

    🪵 製作概要

    項目

    内容

    納品先

    紀州備長炭振興館(和歌山県日高郡みなべ町)

    製作内容

    メイン展示台・展示机・販売台・フローリング材

    主材料

    和歌山産紀州杉 集成材、3層クロスパネル材

    仕上げ

    自然系オイル塗装

    製作

    株式会社丸紀(和歌山県美浜町)

     

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