住宅デザインや造作家具の打ち合わせで必ずと言っていいほど名前が挙がる人気の木材、「タモ」についてご紹介します。
タモは、美しい木目と高い強度を兼ね備えた人気の木材です。
さらに集成材にすることで、大きなサイズにも対応しやすく、品質が安定するため、住宅から店舗まで幅広い場面で活躍しています。
そのため、造作家具やカウンター、棚板、店舗什器などを計画する際、「タモ集成材」を採用するケースは少なくありません。
この記事では、タモの特徴から集成材の基礎知識、実際の造作事例、設計時に押さえておきたいポイントまで詳しくご紹介しています。
「お施主様から『タモってどんな木?』と聞かれたとき、どう説明すれば伝わりやすい?」「新人の設計スタッフにタモの特性を教えたい」という住宅プロの方にも、「これからマイホームを建てるから、造作カウンターの素材にこだわりたい!」という一般の方にも分かりやすいようになっていますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
- タモの木とは?特徴と活用事例
- 集成材の基礎知識とメリット
- タモが集成材に使われる理由と主な用途
- タモ集成材を使用した造作事例の紹介
- プロが教える!タモ集成材を活かす設計ワンポイント
1. タモの木とは?特徴と活用事例
タモとは
タモ(Ash)はモクセイ科の落葉広葉樹で、北米産の「ホワイトアッシュ」と非常によく似た性質を持っており、日本の住宅建築でも古くから愛されてきました。
最大の特徴は、「はっきりとした美しい木目」と「抜群の硬さ・粘り」です。
木目がまっすぐで美しく、淡いクリーム色から薄茶色の優しい色合いのため、ナチュラルテイストから北欧風、和モダン、店舗デザインまで幅広い空間になじみます。
また、木目がはっきりしているため、天然木ならではの存在感を楽しめるのも魅力です。
タモの特徴
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 木目 | まっすぐで美しく、自然な存在感がある |
| 色合い | 明るく柔らかな印象で空間を広く見せやすい |
| 強度 | 硬く粘りがあり、耐久性に優れる |
| 加工性 | 切削・塗装・接着加工との相性が良い |
タモが使われる主な事例
タモは住宅だけでなく、店舗やオフィスなど様々な場所で使用されています。見た目の美しさと耐久性を両立したい場所によく採用されています。
また、とにかく硬くて頑丈な性質で、かつ「折れにくく、しなる」という特性から、実は野球の木製バットやテニスのラケットなど、激しい衝撃を受けるスポーツ用品の材料としても有名です。

開口枠 タモ集成材 積層造作 オイルクリア ※拭き取り仕上げ
2. 集成材の基礎知識とメリット
集成材とは
木材には、丸太からそのまま切り出した「無垢材」と、小さく切り分けた木を接着剤でつなぎ合わせた「集成材」があります。
住宅の造作で「タモの集成材」が頻繁に使われるのには、3つの大きな理由があります。
(1) 反りや変形が少なく、扱いやすい
木は室内の湿気を吸ったり吐いたりして、生きて動いています。無垢材だとカウンターのように大きな面で使うと「反り」や「割れ」が出ることがありますが、集成材は小さな木を組み合わせているため、お互いの動きを打ち消し合い、変形が非常に少なくなります。
(2) コストパフォーマンスが高い
幅の広いタモの無垢一枚板は非常に希少で高価ですが、集成材ならタモの持つ美しさと頑丈さを、手の届きやすい価格で取り入れることができます。
(3)モザイクタイルのようなリズミカルな表情
小さな木材(ピース)が規則正しく並ぶため、一本の木とは違った、モダンで軽やかなインテリアの表情をつくることができます。
無垢材と集成材の違い
| 項目 | 無垢材 | 集成材 |
|---|---|---|
| サイズ | 大判は限られる | 大きなサイズも製作可能 |
| 反り・ねじれ | 起こりやすい | 反りや割れを抑えやすい |
| 品質 | 個体差がある | 品質が安定している |
| 木の風合い | 天然木そのもの | 天然木の風合いを活かせる |
集成材特徴:フィンガージョイント
木材を繋ぐ際に利用されているフィンガージョイントは、短い木材同士の端部を指のような形状に加工し、接着して長くつなぎ合わせる技術です。木材を無駄なく有効活用できるだけでなく、強度や安定性の向上にもつながります。
集成材の多くは、このフィンガージョイント技術を活用して製造されており、天然木の美しさと実用性を両立しています。そのため、家具や棚板、カウンター、建具、造作材など幅広い用途で採用され、コストと品質のバランスに優れた木材として高く評価されています。
無垢材と比較すると、反りや割れが発生しにくく、品質が安定していることが特徴です。特にカウンターや棚板、テーブルの天板など、長さのある部材では大きなメリットがあります。
3. タモが集成材に使われる理由と主な用途
タモは集成材に加工することで、本来持っている魅力をさらに活かしやすくなります。
特に設計者から評価される理由は次の5つです。
(1)美しい木目
天然木らしい表情がありながら、空間を主張しすぎないため、様々なデザインに合わせやすくなります。
(2)明るく上品な色合い
北欧テイスト、ナチュラルモダン、ホテルライクなど幅広いインテリアに調和します。
(3)強度が高い
カウンターやテーブルなど荷重がかかる部分でも安心して採用しやすい木材です。
(4)加工性が良い
切削や接合、塗装など様々な加工との相性が良く、オーダーメイド家具にも適しています。
(5)大型造作にも対応しやすい
集成材にすることで長尺カウンターや大型収納なども設計しやすくなります。
主な用途
| 用途 | 採用される理由 |
|---|---|
| カウンター | 長尺でも安定しやすい |
| 棚板 | 反りが少なく施工しやすい |
| 造作収納 | 美しい木目を活かせる |
| 店舗什器 | 耐久性とデザイン性を両立できる |
| デスク・テーブル | 高級感と実用性を兼ね備える |
キッチンカウンター タモ集成材 積層造作
4. タモ材を使用した造作事例の紹介
こちらでは、タモ材を使用した積層造作、突板造作、無垢造作について、MM FACTORY STOREの施工事例をご紹介します。
💡 事例1:タモ突板貼を使用した店舗内装・造作設備
こちらは、タモ突板貼を使用した店舗内装の施工事例です。
壁面の造作や建具、間仕切りなどをタモ突板貼で統一することで、天然木ならではの美しい木目を活かしながら、落ち着きのある上質な空間を演出しています。明るくやわらかな色合いのタモは、和の趣を大切にした飲食店とも相性が良く、温かみと清潔感を兼ね備えた店内づくりに適しています。
突板は、天然木の質感を表現しながら、無垢材に比べて大判の面材や建具にも採用しやすく、意匠の統一やコストバランスにも優れています。そのため、店舗内装や商業施設など、デザイン性と施工性の両立が求められる空間で多く採用されています。

用途:飲食店内装(壁面造作・建具・間仕切り)
使用材:タモ突板造作
仕上げ:クリア塗装(※仕様に応じて変更)
特長:天然木の美しい木目、空間全体の統一感、大判施工への対応、意匠性とコストバランスの両立
💡 事例2:タモ無垢材を使用したキッチンカウンター
タモ無垢材を使用したキッチンカウンターの施工事例です。
長尺のカウンターには、無垢材を採用し、美しい木目を選定しました。オイルクリア仕上げにより、タモ本来の表情や手触りを活かしながら、自然な風合いを楽しめる仕上がりとなっています。
タモは強度と加工性のバランスが良く、カウンターや棚板、造作家具などに適した木材です。住宅だけでなく、店舗やオフィスの造作にも採用されることが多く、ナチュラルからモダンまで幅広い空間デザインになじみます。
使用材:タモ無垢造作
仕上げ:オイルクリア塗装
用途:キッチンカウンター
特徴:美しい木目・長尺対応・天然木の風合い
💡 事例3:タモ集成材を使用したオープン階段
こちらは、タモ集成材を使用して製作したオープン階段の施工事例です。
踏板からささら桁までタモ集成材で統一することで、木目の美しさと素材感を活かした、開放感のある空間に仕上げています。オイルクリア塗装により、タモ本来の明るく上品な色合いや、天然木ならではの質感をそのまま楽しめる仕様としました。
階段は荷重が繰り返しかかる部位であるため、意匠性だけでなく寸法安定性も重要になります。タモ集成材は反りやねじれが比較的少なく、長尺部材や精度が求められる階段にも採用しやすい材料です。
黒色のスチール手すりとの組み合わせにより、天然木の温もりとシャープなデザインが調和した、ナチュラルモダンな空間を演出しています。

用途:住宅階段(オープン階段)
使用材:タモ集成材 積層造作
仕上げ:オイルクリア塗装
特長:美しい木目、寸法安定性、加工性、ナチュラルな質感
『集成材/積層造作材』の詳細はこちら
5. プロが教える!タモ集成材を活かす設計ワンポイント
タモ集成材は、そのままでも十分魅力的ですが、設計段階でいくつかのポイントを押さえることで、より美しく、長く使える造作家具になります。
◎水回りには「ウレタン塗装」、リビングには「オイル塗装」
洗面台やキッチンのように水がハネる場所には、表面に薄いプラスチックの膜を作る「ウレタン塗装(クリア)」がおすすめです。
水や汚れを弾くため、お施主様のお手入れが劇的にラクになります。
一方、リビングのデスクなど「木の自然な手触りを楽しみたい」場所には、木に染み込ませる「オイル塗装」を選ぶと、タモの木肌をそのまま感じられます。
◎「ホワイトアッシュ材」との使い分け
予算や好みの色味に合わせて、少し白っぽくダイナミックな木目を持つ「ホワイトアッシュ材」と並べて検討するのもおすすめです。
インテリアのトーンに合わせて検討の幅を広げてみてください。
他には以下のような点があげられます。
・木目の流れを揃える
・光の当たり方を考えて配置する
・塗装の仕上げ(オイル・ウレタン・着色)を用途に合わせて選ぶ
・使用環境に応じて板厚を検討する
・金物や異素材との組み合わせでデザイン性を高める
など
こうした点を意識すると、タモならではの上質な木目や素材感をより引き立てることができます。

洗面カウンター タモ集成材 積層造作 オイルクリア
『集成材/積層造作材』の詳細はこちら
まとめ
タモ集成材は、「見た目の美しさ」「抜群の耐久性」「扱いやすさ」の3拍子が揃った、設計事務所にとってもお施主様にとっても非常に頼もしい味方です。
また、集成材にすることで、大型サイズへの対応や品質の安定性など、設計・施工のしやすさも高まります。そのため、住宅・店舗・オフィスなど、さまざまな空間で幅広く採用されています。
実際の設計では、木目の見せ方や塗装方法、使用環境に合わせた仕様を検討することで、タモ集成材の魅力をさらに引き出すことが可能です。ら用途やデザインに合わせて活用することで、機能性と意匠性を兼ね備えた、長く愛される空間づくりにつなげてみてはいかがでしょうか。
これから家づくりをされる方も、ぜひ「タモ集成材」を使って、世界にひとつだけのこだわりの造作家具をつくられることをおすすめします。
『集成材/積層造作材』の詳細はこちら
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