日本の木造の耐久性
この日本最古の塔に使われている木材は「ひのき(桧・檜)」。
法隆寺の五重塔を建立された時代背景を考えると、おそらく奈良県・三重県南部と和歌山県一帯に渡る紀伊山地の「ひのき」を使ったことが推測されます。
もう1つ、「ひのき」は伐採されてから200年から300年の間は、曲げに対する強度や硬さが増してゆき、最大20パーセントほど強度が増すといわれています。そしてピークが過ぎると徐々に強度が劣化していくそうです。一説には、現在の法隆寺はようやく元(伐採直後)の強度に戻ったぐらいだそう。「ひのき」の強度は樹齢によって耐用年数が変化すると言われており、樹齢500年木を使った建築物は500年、1000年の木は1000年持つそうです。すごいですね。
![国産ひのきの建築物](https://media.zenobuilder.com/upload/sp-3770/50960353.jpg)
紀州は「木の国」?
![和歌山と紀州の地図](https://media.zenobuilder.com/upload/sp-3770/50964351.jpg)
紀州材ってどんな木材?
![木材](https://media.zenobuilder.com/upload/sp-3770/50961997.jpg)
強くて色合いが良い紀州材
○ひのき(桧・檜)の特徴
「ひのき」はスギは尾根筋などの土の乾いた場所に生えていることが多く、含水率は杉の半分程度しかないため、木材と使用するための乾燥も時間がかからないようです。そして幹の心材の割合が大きく、60年以上のヒノキになると心材は80パーセントを占めています。
世界では6種類の「ひのき」があるそうで、その中でも日本のヒノキが最も優れていて、建築材としては最高のものが多いそうです。木材として第一級品となっている理由は、カンナなどで表面の仕上げを行うと美しい光沢が出ること、心材には独特の芳香があること、水分や湿気、菌や害虫に強いことから腐りにくいなどがあります。
○杉
○紀州材の強さを和歌山県が証明
なかでも「紀州材は強さ(粘り強さ)がある」と評価されてきたました。そこで、実際にどれくらいの「強さ(粘り強さ)」があるのかを明らかにするため、和歌山県が和歌山県林業試験場にて試験研究を行ったそうです。
その結果、紀州材の「ひのき」の曲げヤング係数の分布は、全体の91.5%がE110以上、スギの曲げヤング係数の分布は、全体の71.6%がE90以上になったそうです。
このような強度のある紀州材の「ひのき」であれば、1,000年以上持つ建造物を作れそうですね。
![紀州材の曲げヤング係数測定結果](https://media.zenobuilder.com/upload/sp-3770/50961345.jpg)
![国産杉の家](https://media.zenobuilder.com/upload/sp-3770/75578994.jpg)
![国産ひのきの家](https://media.zenobuilder.com/upload/sp-3770/75578409.jpg)
![国産すぎの1枚板](https://media.zenobuilder.com/upload/sp-3770/75579192.jpg)
![国産の木材の建物](https://media.zenobuilder.com/upload/sp-3770/75578886.jpg)