外壁選びで「デザイン」と「性能」のどちらを重視するべきか、悩んでいませんか?
そんな方に知っていただきたいのが、日本の伝統工法である『鎧張り(よろいばり)』です。

板を重ねて張るシンプルな構造でありながら、雨に強く、耐久性にも優れ、さらに美しい陰影によって高級感のある外観を生み出します。

近年では、自然素材の価値が見直される中で、木の外壁として鎧張りを選ぶ方も増えてきました。一方で、見た目が似ている「ラップサイディング」との違いが分かりにくく、選び方に迷うケースも少なくありません。

この記事では、鎧張りの基本から特徴、メリット・デメリット、そしてラップサイディングとの違いまで、外壁選びで後悔しないためのポイントを分かりやすく解説しますので、最後まで読んでくださいね。

 目次

1. 鎧張り(よろいばり)とは?
2. 鎧張りの特徴

3. 鎧張りとその他の外壁材の張り方との違い
4. 鎧張りとラップサイディングとの違い
5. 鎧張りのメリット・デメリット
6. 鎧張り|デザインのポイント
7. まとめ|鎧張りは“機能美”を体現した外壁


    1. 鎧張り(よろいばり)とは?


    鎧張りは、外壁や内装で使われる日本の伝統的な木材施工のひとつで、板を下から上へ重ねて張る工法です。

    この構造により雨水を効率よく流すことができ、日本の多湿な気候に非常に適した外壁仕上げとして古くから用いられてきました。

    近年では、自然素材志向の高まりやデザイン性の高さから、住宅・店舗・リノベーションなど幅広いシーンで再注目されています。

    ◎名前の由来

    鎧張り」という名称は、武士が身に着けていた鎧(よろい)に由来します。
    鎧のように板が何層にも重なり合う構造が似ていることから、この名前が付けられました。

    単なる見た目の比喩ではなく、外部からの雨や風を防ぐ“防御構造”としての意味合いも含まれています。


    ◎使用される主な木材

    鎧張りには以下のような木材が使用されます。

    ・杉(紀州杉などの国産材)
    ・桧(紀州ひのきなどの国産材)
    ・レッドシダー
    ・パイン(松)

    特に国産材は日本で育った木を切り出して作る木材ですので、環境変化への順応に優れています。可能であれば、外壁材として非常におすすめなのは、建築する建物の近くで育った木を使うことです。
    ✔ 木が持つ強さ
    ✔ 調湿性能(木の呼吸)
    ✔ 日本の気候との相性
    など


     

    2. 鎧張りの特徴

    (1)雨に強い構造(雨仕舞い性能)

    鎧張りは、日本の雨の多い気候に適した、合理的な外壁工法です。
    板を下から上へ重ねて施工することで、雨水が上から下へと自然に流れ落ちる設計になっています。

    この「重ね構造」により、ジョイント部分からの浸水を防ぐため、雨水が内部に入りにくくい仕様になっています。

     

    (2)高い耐久性

    板同士が重なることで、外壁表面が二重・三重のような構造となり、影響から下地を守る効果があります。

    ・直射日光
    ・雨風
    ・紫外線
    など

    さらに、木材自体が湿気を吸放出するため、内部結露のリスク軽減にもつながります。

     

    (3)立体感のあるデザイン

    鎧張り最大の魅力ともいえるのが、陰影による立体感です。

    光の当たり方によって表情が変わり、平面的な外壁にはない「奥行き」と「高級感」を演出します。天然の木の木目生かしたい場合は、国産の杉や桧を使用することで、より美しい仕上がりになります。

     

     

    3. 鎧張りとその他の外壁材の張り方との違い

    外壁の木張りにはいくつかの施工方法がありますが、鎧張りはその中でも機能性に優れた工法です。

    張り方

    特徴

    デザイン

    鎧張り

    重ね張りで防水性が高い

    立体感・陰影が強い

    目透かし張り

    板の間に隙間あり

    シャープ・現代的

    突き付け張り

    板同士を密着

    フラットでシンプル

     

    デザインだけでなく、「雨に対する強さ」という点でも鎧張りは優れています。

     

    『鎧張り』の詳細はこちら

     

    4. 鎧張りとラップサイディングとの違い

    鎧張りとよく似た外観を持つ外壁として「ラップサイディング」があります。
    しかし、この2つは見た目は似ていても本質は大きく異なります。

    比較表

    項目

    鎧張り

    ラップサイディング

    素材

    天然の木

    窯業系・樹脂・金属

    発祥

    日本

    北米

    質感

    自然環境の風合い

    均一な工業製品

    経年変化

    味わいとして変化

    劣化することが多い

    耐久性の考え方

    素材+構造

    防水層+製品性能

    メンテナンス

    定期的な塗装
    必要な箇所だけ修繕

    比較的少ない
    全面張り替えの場合も

     

    鎧張りは、自然を生かした外壁です。

    ✔ 天然の自然の美しさがデザインになる
    ✔ 張り方と構造だけで防水が高い
    ✔ メンテナンスも楽しむ


    一方、工業製品のラップサイディングは、手軽さや均一性に優れています。

    重要なのは、家を建てた後、リフォームした後に「どんな暮らしをしたいか」を考えて、その先の価値まで含めて選ぶことをオススメします。

     

     

    5. 鎧張りのメリット・デメリット

    鎧張りは魅力の多い外壁ですが、特徴を正しく理解したうえで選ぶことが大切です。
    ここでは、メリットとデメリットを分かりやすく整理します。

    ◎メリット

    大きな特徴は、外壁としての性能と美しさを両立している点です。

    ・雨仕舞いに優れる
    板を重ねる構造により、雨水が自然に流れ落ちるため、水が内部に入りにくい設計です。
    外壁の耐久性が高い
     重なり部分が下地を守るため、紫外線や雨風の影響を受けにくく、長持ちしやすい構造です。
    ・天然木ならではの高級感
     プリントでは再現できない、本物の木の質感や風合いが外観に上質さを与えます。
    ・経年変化を楽しめる
     時間とともに色味や表情が変化し、住まいと一緒に“味わいが増していく”のも魅力です。

    ◎デメリット

    一方で、自然素材ならではの注意点もあります。

    ・材料費・施工費がやや高い
     無垢材を使用し、手間のかかる施工のため、一般的な外壁材よりコストは上がる傾向があります。
    ・定期的なメンテナンスが必要
     美しさと耐久性を保つためには、塗装などのメンテナンスが必要になります。
    ・職人の技術によって仕上がりが左右される
     施工精度によって見た目や耐久性に差が出るため、施工会社選びも重要です。

    ただし、これらのデメリットは、「長く住み続ける家」という視点で考えると、大きな価値に変わります。

    初期コストや手間はかかりますが、その分だけ“愛着”と“満足度”の高い外壁になります。

     

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    6. 鎧張り|デザインのポイント

    鎧張りは、以下のような方には特におすすめです。

    ・自然素材の家にこだわりたい
    ・和モダン・和風デザインが好き
    ・経年変化(エイジング)を楽しみたい
    ・他の住宅と差別化した外観にしたい

    見た目の美しさだけでなく、「住むほどに愛着が増していく家」を求める方に最適な外壁です。

    鎧張りは、設計段階での選択が仕上がりを大きく左右する外壁です。
    素材・板幅・塗装をしっかり検討することで、理想の外観にぐっと近づきます。

    ◎板幅で印象が変わる

    同じ鎧張りでも、板幅によって“まったく別の表情”になります。

    ・細い板 → シャープで繊細な印象
    ・太い板 → 重厚感があり、高級感のある外観

    ◎塗装で雰囲気をコントロール

    色選びで、「和風」「モダン」「ナチュラル」など幅広い表現が可能です。

    ・クリア仕上げ → 木そのものの質感を活かしたナチュラルな印象
    ・ブラック塗装 → 引き締まったモダンな外観
    ・グレー系塗装 → 落ち着きのある、経年変化風の仕上がり

     

    7. まとめ|鎧張りは“機能美”を体現した外壁

    鎧張りは、「環境に馴染みやすく、雨に強く、デザイン性が高い」という特徴を持つ、日本の気候に適した合理的な外壁工法です。

    ラップサイディングと異なり、鎧張りは「素材そのものの価値」を楽しむ外壁ですので、価格や手軽さだけでなく、これからの暮らし方まで考えて選ぶことが、後悔しない外壁選びのポイントです。

     

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