明るく多彩なマツ科の木材

「明るい色の木材を使いたいけれど、種類が多くて違いがわからない」
「スプルースやパイン、SPFは同じ木材なの?」

木材を探していると、このような疑問を感じることがあるかもしれません。

住宅の下地材や家具、内装、DIYなど、私たちの身近な場所ではマツ科の木材が数多く使われています。ただし、同じマツ科でも、色や木目、硬さ、加工性にはそれぞれ違いがあります。

この記事では、まずマツ科の木材についてわかりやすくご紹介します。ホームセンターなどでよく見かける「SPF」の意味や、スプルース・米栂(ベイツガ/ヘムロック)・パインの特徴をご紹介。

木材選びで迷っている方が、ご自身の用途に合った木材が分かるよう解説していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

目次

  1. マツ科とはどのような樹木?
  2. マツ科の木材が多く使われている理由
  3. SPFとはどのような木材?
  4. マツ科で人気|スプルース・米栂・パイン
  5. 用途に合うマツ科材の選び方

1.マツ科とはどのような樹木?

マツ科は、マツ属・トウヒ属・モミ属・ツガ属・カラマツ属などから構成される、針葉樹の大きなグループです。

世界の北半球を中心に広く分布しており、日本で身近なマツやモミ、カラマツ、ツガなどもマツ科に含まれます。

マツ科の主な種類

属の名称 英語・学名 代表的な樹木・木材 概要
モミ属 Fir/Abies モミ、トドマツ、バルサムファー 淡い色の木材が多く、一部はSPFの「F」に含まれます。建築材、内装材、パルプなどに利用されます。
ヒマラヤスギ属 Cedar/Cedrus ヒマラヤスギ、レバノンスギ 名前に「スギ」と付きますが、スギ科・ヒノキ科ではなくマツ科です。建築材、家具、装飾材などに利用されます。
カラマツ属 Larch/Larix カラマツ、欧州カラマツ 針葉樹では珍しく、秋に葉を落とします。比較的強度があり、構造材、合板、土木用材などに利用されます。
トウヒ属 Spruce/Picea スプルース、ピーラー、エゾマツ、アカエゾマツ 白色から淡い黄白色の材が多く、比較的軽量です。SPFの「S」にあたり、建築材、内装材、楽器などに使われます。
マツ属 Pine/Pinus パイン、アカマツ、クロマツ、ラジアータパイン マツ科の中でも種類が多いグループです。SPFの「P」にあたり、建築材、家具、内装材など幅広く利用されます。
イヌカラマツ属 Golden larch/Pseudolarix イヌカラマツ カラマツ属とは別のグループですが、同じように落葉します。日本では木材よりも植栽樹として知られています。
トガサワラ属 Douglas-fir/Pseudotsuga ベイマツ(ダグラスファー、ピーラー)、トガサワラ ベイマツは強度を求める建築材として広く利用されています。名称に「マツ」や「ファー」と付きますが、マツ属やモミ属とは別の属です。
ツガ属 Hemlock/Tsuga ツガ、米栂(ベイツガ/ヘムロック) 比較的まっすぐで落ち着いた木目を持ちます。構造材、下地材、建具、造作材などに利用されます。


マツ科の木材には、明るい色合いで比較的軽く、加工しやすいものが多くあります。そのため、住宅の構造材や下地材だけでなく、内装、家具、建具、DIY用材などにも幅広く使われています。

同じマツ科でも、樹種によって色、木目、硬さ、節、樹脂の量などが異なります。また、同じ樹種でも、産地や等級、乾燥状態によって品質や扱いやすさが変わります。

そのため、どんなデザインにしたいか、どの場所で、どんな役割で使うのかで適したマツ科の種類が変わりますので、それぞれに合った樹種の選定を行うことがおすすめです。


2.マツ科の木材が多く使われている理由

建築や木工で使用される針葉樹材には、マツ科に属する木材が数多くあります。マツ科が身近な場所で広く使われている背景には、主に次のような理由があります。

・比較的軽く、持ち運びや施工をしやすい
・切断や穴あけ、釘打ちなどの加工をしやすい
・明るく清潔感のある色を持つ樹種が多い
・強度と重量のバランスに優れた材が多い
・建築材から家具、梱包材まで用途の幅が広い
・SPFなど、まとまった量を確保しやすい
など

特に建築では、必要な強度を確保しながら、運搬や加工の負担を抑えられることが大切です。その点で、軽さと強度のバランスを持つマツ科の木材は、多くの用途に取り入れやすい材料といえます。

また、木目が白色から淡い黄褐色の木材が多く、空間を明るく見せやすいことも特徴です。塗装せずに木の色を生かす仕上げから、着色塗装まで、さまざまなデザインに合わせられます。

一方で、比較的やわらかい樹種では傷やへこみがつきやすく、屋外では防腐・防水処理が必要になることがあります。マツ科を使用する場合は、用途に合う樹種や仕様を確認することが大切です。


《米栂 / ベイツガ》積層造作 / 引き戸


3.SPFとはどのような木材?

マツ科の木材について調べていると、「SPF材」という名称を目にすることがあります。

SPFとは、北米産の代表的な針葉樹をまとめた木材のグループ名です。

名称は、次の3つの頭文字から作られています。
・S:Spruce(スプルース/トウヒ類)
・P:Pine(パイン/マツ類)
・F:Fir(ファー/モミ類)

これら3種類の木が混ざった北米の天然林から伐採され、同じ規格で製材・乾燥されて一緒に流通しています。

補足としてですが、SPF材はスプルース・パイン・ファーの頭文字から取ったものですが、実は3種類を貼り合わせた木材という意味ではなく、「北米産のS・P・Fの3グループに含まれるいずれかの樹種を組み合わせて製材されている木材」がSPF材と呼ばれています。
 ※米栂(ヘムロック)はツガ属の木材なので、一般的なSPFには含まれません。

SPF材の主な特徴

SPF材は、一般的に色が明るく、比較的軽量で加工しやすいため、住宅の枠組材や下地材、棚、簡単な家具、DIYなどに広く使われています。

・比較的軽く、持ち運びや施工をしやすい
・切断や釘打ち、ビス留めをしやすい
・明るい色合いで、ナチュラルな印象がある
・建築材やDIY用材として入手しやすい
・用途に応じた寸法や等級が流通している
など

SPF材が適している用途

SPF材は、比較的軽く、切断や釘打ち、ビス留めをしやすい木材です。そのため、主に次のような用途に適しています。

・住宅の間柱や下地材
・室内用の棚や収納
・家具各種
・木箱や簡単な収納用品
・DIYや木工作品
・塗装して仕上げる室内用品
など

特に、加工のしやすさを重視したい場合や、明るくナチュラルな雰囲気に仕上げたい場合に選びやすい木材です。

一方、一般的なSPF材は水や湿気の影響を受けやすいため、無処理のまま屋外や水まわりで使用する用途には向いていません。屋外で使用する場合は、防腐処理された材を選ぶか、用途に合った防腐・防水塗装を施す必要があります。

また、住宅の構造部分に使用する場合は、一般的なDIY用材ではなく、設計で指定された寸法・強度・等級を満たす構造用のSPF材を選びましょう。


《パイン》組み加工 / 収納棚


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4.マツ科で人気|スプルース・米栂・パイン

マツ科の代表的な樹種「スプルース・米栂・パイン」は、見た目や使い心地に違いがあります。

まずは、それぞれの一般的な傾向を比較してみましょう。

木材 色・木目 主な特徴 用途の例
スプルース 白色から淡い黄白色。比較的素直で細かな木目 軽く、加工しやすい。明るくすっきりした印象 内装材、家具、建具、楽器、構造材
米栂 淡い黄褐色から薄い褐色。比較的まっすぐな木目 落ち着いた表情で、強度と加工性のバランスがよい 構造材、造作材、建具、家具、下地材
パイン 黄白色から淡い黄褐色。木目や節が目立ちやすい あたたかみのある表情で、経年変化も楽しめる 家具、棚板、内装材、フローリング、DIY

※上記は一般的な傾向です。実際の色、節、硬さ、強度は、樹種・産地・等級・含水率などによって異なります。

《1:スプルース》明るく、すっきりした木肌

スプルースは、トウヒ属を中心とする木材の総称です。白色から淡い黄白色の明るい木肌と、比較的細かく素直な木目を持っています。

軽量で刃物を入れやすく、切断や穴あけ、接着などの加工を進めやすいことが特徴です。圧迫感の少ないナチュラルな印象があり、明るい内装や家具にもなじみます。

一方で、比較的やわらかいため、家具の天板など傷がつきやすい場所では、使い方や表面仕上げを考える必要があります。

スプルースは、次のような用途を検討している方に向いています。
・明るく清潔感のある家具や内装
・加工しやすさを重視したDIY
・建具や造作材
・重量を抑えたい木製品


《スプルース》造作 / 無塗装



《2:米栂(ベイツガ/ヘムロック)》落ち着いた木目と使いやすさ

米栂は、北米産のツガ類に使われる日本での流通名です。

一般にはウェスタンヘムロックを中心とした材を指しますが、商品によって樹種構成が異なる場合があります。正確な樹種や産地を知りたい場合は、販売元への確認をおすすめします。

色は淡い黄褐色から薄い褐色で、木目は比較的まっすぐです。スプルースよりも少し落ち着いた色合いを持ち、和洋を問わず空間になじみやすい木材です。

構造材、下地材、造作材、建具など、幅広い場所で使われています。

塗装や接着との相性も比較的よい一方、木目の硬さに差がある材では、研磨の仕方によって表面にわずかな凹凸が出ることがあります。きれいに仕上げたい場合は、木目に沿って丁寧に研磨すると安心です。

米栂は、次のような用途を検討している方に向いています。
・落ち着いた木目を生かした造作材
・建具や家具
・住宅の構造材や下地材
・塗装仕上げを予定している木製品


《ヘムロック》Vw(オリジナルデザイン木製壁材)


《3:パイン》節や木目を楽しめる、あたたかな木材

パインは、マツ属に分類される木材の総称です。
樹種:
ラジアータパイン、ポンデローサパイン、ロッジポールパイン、欧州赤松など
さまざまな樹種がパイン材として流通しています。

木目:淡い黄白色から黄褐色の材が多く、はっきりした木目や節
木らしいあたたかな表情があります。
時間の経過とともに色に深みが増していくことも、パイン材の魅力です。

比較的加工しやすく、家具や棚板、内装材、DIY用材として親しまれています。

パインは、硬さや樹脂の量、節の状態は樹種によって異なるため、用途が決まっている場合は具体的な樹種も確認しましょう。

パインは、次のような用途を検討している方に向いています。
・木目や節をデザインとして楽しむ家具
・ナチュラルな雰囲気の内装
・棚板や収納用品
・経年変化を楽しみたい木製品
など。


《パイン》積層造作 格子棚


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5.用途に合うマツ科材の選び方

木材選びでは、「どの木材が一番優れているか」ではなく、「何を作り、どのような場所で使うか」を基準に考えることが大切です。

重視したいこと 検討しやすい木材 確認したい点
明るく控えめな木目 スプルース 傷への対策、節の量、表面仕上げ
落ち着いた見た目と幅広い用途 米栂 用途に合う等級、研磨や塗装方法
節や木目を生かした表情 パイン 具体的な樹種、樹脂、節の状態
入手しやすさと加工性 SPF材 樹種、反り、割れ、乾燥状態、等級


用途や条件を一つずつ整理することで、ご希望に近い木材を選びやすくなります。

<見た目を重視する場合>
樹種名だけでなく、実際の色、木目、節の位置を確認します。
<構造部分に使用する場合>
加工性や見た目だけで決めず、設計上必要な強度、寸法、等級を確認する必要があります。
<屋外や湿気の多い場所で使う場合>
木材自体の耐久性に加えて、防腐処理や塗装、雨水をためない設計も大切です。


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よくあるご質問

Q1.SPF材とスプルース材は同じですか?
同じとは限りません。スプルースは、SPFを構成する樹種グループの一つです。SPF材にはスプルースのほか、パインやファーが含まれることがあります。

樹種を指定したい場合は、商品表示や販売元に確認するとよいでしょう。

Q2.パイン材もSPF材に含まれますか?
SPFの「P」はPineを意味するため、所定の樹種グループに含まれるパイン材がSPFとして流通することがあります。ただし、すべてのパイン材がSPF材になるわけではありません。

「パイン」は多くの樹種を含む広い呼び方なので、商品ごとの表示を確認する必要があります。

Q3.米栂もSPF材ですか?
一般に米栂はSPF材には含まれません。米栂はツガ属の木材であり、SPFのSpruce・Pine・Firとは異なるグループです。

北米では、米栂などが「Hem-Fir」という別の樹種群として扱われる場合があります。

Q4.マツ科の木材は屋外でも使えますか?
使用可能ですが、樹種と使用環境に合った処理が必要です。雨や土に触れる場所では、木材が腐朽しやすくなります。

屋外で使用する場合:耐久性の確認に加え、防腐処理、防水性のある塗装、木口の処理、水がたまらない構造などをご検討ください。

Q5.DIY初心者にはどの木材が向いていますか?
スプルースやSPF材、比較的やわらかなパイン材は、切断や穴あけをしやすく、DIYでも扱いやすい傾向があります。ただし、反りやねじれ、節の位置によって加工のしやすさは変わります。

購入時には板を長手方向から見て、できるだけまっすぐなものを選ぶと作業を進めやすくなります。


《パイン》積層造作 / 左:ディスプレイ棚 右:TVボード


まとめ

マツ科には、建築や家具、内装などに使われる身近な木材が数多くあります。今回ご紹介したスプルース・米栂・パインもマツ科の木材ですが、それぞれ色や木目、節の表情、適した用途が異なります。

明るくすっきりした印象を求めるならスプルース、落ち着いた木目と使いやすさを求めるなら米栂、木らしい節やあたたかみを楽しみたいならパインが選択肢になります。

また、ホームセンターなどで見かけるSPF材は、スプルース・パイン・ファーをまとめた樹種グループの名称です。比較的軽く加工しやすいため、住宅の下地材や室内用の棚、DIYなどに幅広く使われています。

同じマツ科でも、木材によって見た目や性質はさまざまです。まずは作りたいものや使用する場所を整理し、それぞれの特徴を比べながら、目的に合った木材を選んでみてください。


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MM FACTORY STOREへのお問い合わせ

「どの木材が用途に合うかわからない」「希望する寸法で用意できるか確認したい」という段階でも、どうぞお気軽にMM FACTORY STOREへご相談ください。

お問い合わせの際は、次の内容をわかる範囲でお知らせいただくと、ご希望を共有しやすくなります。

・作りたいものや使用目的
・屋内、屋外などの使用環境
・希望する樹種
・必要な厚み x 幅 x 長さ、数量
・節、色、木目についてのご希望
・加工、塗装、納期、配送に関する条件

樹種が決まっていない場合は、「明るい色にしたい」「節を見せたい」「できるだけ軽くしたい」といった、仕上がりのイメージからお伝えいただいても構いません。

お問い合わせの流れ

1.用途とご希望を整理する
作りたいもの、使用場所、必要な寸法や数量などを、現在わかる範囲でご整理ください。

2.MM FACTORY STOREへ問い合わせる
お問い合わせ窓口から、ご用途とご希望をお知らせください。樹種が決まっていない場合は、その旨もお伝えください。

3.木材・仕様・在庫などを確認する
取り扱いの可否、木材の仕様、在庫、加工、納期などをご確認いただきます。

4.内容を確認して注文を検討する
木材の特徴や各種条件を確認し、納得したうえでご注文をご検討ください。


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