ヘムロック(米栂)材とは?

ヘムロック(米栂)の木

・ヘムロック(Hemlock)は、日本では、栂(ツガ)と呼ばれている、松科の栂(ツガ)属(Tsuga)に属する常緑針葉樹の総称です。


・ツガの木は、生態系において重要な役割を果たし、美しい森を形成する一因となっています。そのため、保護と管理が求められています。


・建築等に使用する木材は、アメリカ産の栂材のことを「ヘムロック材」または「米栂(ベイツガ)材」と呼ばれています。

【ヘムロック(米栂)材の特徴】

〔1〕概要

 ◎樹高:松科ですが、杉などのように真っ直ぐ高く、大木に成長するヘムロック(米栂)は、30メートル以上に成長するものもあります。

 ◎葉:松科の特徴の短い針状の葉を持ち、先がやや丸くなっています。葉の裏側には白っぽい線が見られます。

 ◎樹皮:若い木の樹皮は滑らかで灰色ですが、成長するにつれて厚く、割れ目が入ることがあります。


〔2〕種類

 ツガ属は、世界に10種類あり、 日本では「本種とコメツガ」の2種類あります。

 ツガ材として一般的に流通しているのは、アメリカ産のウエスタンヘムロックやカナダツガの2種類が普及しています。

 ◎北米ツガ(イースタンヘムロック)Eastern Hemlock, Tsuga canadensis /北米東部に分布し、最も一般的な種です。

 ◎西部ツガ(ウエスタンヘムロック)Western Hemlock, Tsuga heterophylla /北米西部に分布し、材木として重要です。


〔3〕生態と分布

 ◎生息地:ヘムロック(米栂)は湿潤な森林や渓谷、山岳地帯に自生します。日陰を好むため、森林の下層に生育することが多いです。

 ◎気候:冷涼で湿度の高い気候を好みますが、種類によってはさまざまな気候条件に適応しています。


〔4〕利用

 ◎材木:ヘムロック(米栂)の木材は、建材や紙パルプ、家具、船舶材などに利用されます。

 ◎装飾:園芸や造園で観賞用に植えられることもありますが、大木に育つため、日本ではある程度の敷地が必要です。

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